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タロット魔術師の図像学 [大アルカナが伝えること]

magician.jpgタロットカード「魔術師」の絵柄は、よくよく観察すると不思議ですよね。
赤いバラと白いユリに囲まれた男が、机の上に「カップ」「ペンタクル」「ソード」「ワンド」を出して、杖を天高く構えています。

机上の4つのものは、「水」「地」「風」「火」の4大元素を顕しています。
その4つの原材料を、ワンドの象徴である「火」を使って、新たな何かを作り上げようとしています。
見方を変えれば、錬金術師でしょう。

錬金術師は今でいう化学者です。
試験管やフラスコを片手に、何かを混ぜ合わせ、自然界の原理を探っています。

中世の時代では 、錬金術師は悪魔の手先として遮断されていました。
鉛を金に変えるだとか、不老不死の薬を作る・・なんてことを、日夜はげんでいたんです。
領主や貴族からの依頼でやっていた場合もあります。

ところで、料理をするときには「火」を使いますよね。工場でも何かを加工するには「火」を使います。
何かを会わせるには、「火」のエネルギーが必須です。だから「火」の象徴のワンドを持っているんですね。

赤いバラは男性、白いユリは女性、を示すので、男女の統合によるエネルギーによっても創造を示しているようです。男性的な精神(積極性・主体性・行動力)と女性的な精神(受容・寛容・受動的)な統合です。

対極する二つの力があってこそ、はじめて新しい何かを作り上げることができます。magician-3.jpg
「魔術師」のカードは、その元型は大道芸人のようなものです。
旅から旅へ、歩いてはそこに一夜の宿を求め、旅先の路上で芸をしたり、何かを売ったりして生計を立てています。ただ、定住とはいきませんが、ある街に留まっているのですから、「愚者」よりは安定していますよね。
そう考えれば、一か所に集中する・・とも解釈できます。

「魔術師」の創造する力こそが、全てのエネルギーの根源なのかもしれませんね。

確かにウロボヌスの蛇が腰に巻かれ、infinity(無限マーク)も頭上に描かれています。
無限なる力とは、創造する力なのでしょうか。創造する力は本来は神の力です。天地を創造したのも主たる神ですよね。神の偉大な想像力には限りがないんです。

破壊するのは簡単です。

でも創造するのは難しいですよね。だから価値があるんです。その価値ははかり知れません。
魔術師は以外に大それたカードと言えます。


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